2014年 アジア系アメリカ人リーダー訪日プログラム

2014 年度プログラム

2014 年度アジア系アメリカ人リーダー訪日プログラムでは、多文化的なバックグラウンドを持つ多様なアジア系アメリカ人の州議会議員を、米国各地から合計5名選抜しました。今回のプログラムでは、この5 名の州議会議員とアイリーン・ヒラノ・イノウエ米日カウンシル会長、および全国州議会議員アジア太平洋系アメリカ人幹部会の理事であるアイリーン・カワナベ氏が2014年11月14日から22日にかけて訪日しました。一行は、東京と京都を訪問し、日本の政治・行政のリーダー、企業の幹部、非営利組織のリーダーと面談して意見交換を行い、日米関係に役立つネットワークを構築しました。米日カウンシルは、全米州議会議員アジア太平洋系アメリカ人幹部会と州議会全米協議会と連携して、今回のプログラムを実施しました。

参加者はプログラム終了後、国際・米国内・各地域と広範囲に亘る米日カウンシルのネットワークとのつながりを維持することによって、日米関係において活発な役割を果たし続ける機会に恵まれます。米日カウンシルも全米州議会議員アジア太平洋系アメリカ人幹部会と州議会全米協議会との連携を継続していきます。参加者が日米関係への関わりを深めるためのネットワークはすでに整っており、米日カウンシルは参加者のつながりを持続させるよう、後押しをしていきます。

概要

一行が面談をした日米政府のリーダーは中山康秀外務副大臣、高島なおき東京都都議会議長、ジェイソン・P・ハイランド在日米国大使館首席公使を含みます。ビジネス・リーダーについては、経団連や経済同友会の会員、ファーストリテイリング株式会社の柳井正代表取締役会長兼社長、三菱商事株式会社の小島順彦取締役会長、JR東海の葛西敬之代表取締役名誉会長等と面談しました。一行は国際交流基金の幹部や日米双方の学者とも会いました。京都では、門川大作京都市長、村田晃嗣同志社大学学長、京都新聞社の黒田清喜社長等と面談しました。

プログラム最終日の21日には、「リーダーシップの多様化:アジア系アメリカ人州議会議員が歩んできた道のり」と題した東京でのパネル・ディスカッションにて、各々が経験した、アジア系アメリカ人個人として、また政治家としての様々な道のりについて話しました。米日カウンシル会長のアイリーン・ヒラノ・イノウエがモデレーターを務めました。(ヒラノ・イノウエ会長は、全国州議会議員アジア太平洋系アメリカ人幹部会の理事であるアイリーン・カワナベ氏とともに、一行の訪日に同行しました。)パネル・ディスカッション後のレセプションには中山外務副大臣が出席し、乾杯の挨拶を行いました。「本日の集まりは日米関係の発展にとって重要なものです。本日お集まりになった皆様が私と共に日米関係の拡大・強化に努め、アジア太平洋地域における平和と繁栄の促進に貢献することを願っております。」と副大臣は述べ、同日衆議院が解散されたにもかかわらず、選挙区に戻る前の最後の義務として出席したかったと説明しました。

写真

2014年度プログラムの写真についてはこちらのリンクをご参照下さい。

2014年度参加者

  • シルビア・ルーク氏(ハワイ州下院議員)
  • ラジ・ムケルジ氏(ニュージャージー州下院議員)
  • シャロン・トミコ・サントス氏(ワシントン州下院議員)
  • ヒュバート・ヴォー氏(テキサス州下院議員)
  • ドナルド・ウォン氏(マサチューセッツ州下院議員)

シルビア・ルーク氏
ハワイ州下院議員

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シルビア・ルーク下院議員は韓国のソウルで生まれ、幼児期にハワイに移住後、公立学校で学んだ。1989年にハワイ大学マノア校で学士号を取得。1995年にはサンフランシスコ大学(USF)法科大学院で法律の学位を取得。USFではUSF法律評論誌のメンバーを務めた。

ルーク議員の選挙区は第25 選挙区で(マキキ、パンチボウル、ヌウアヌ、ダウセットハイランド、パシフィックハイツ、パウオア)、現在は7 期目。州議会下院財政委員会委員長を務めている。これまでに、下院副議長、下院司法委員会委員長、下院立法運営委員会副委員長、下院経済開発・企業委員会副委員長、戦争準備特別委員会委員長を歴任した。

2000 年にはハワイ・テクノロジー協会の優れた市民リーダーシップ賞を、2003年には韓国系アメリカ人連合のリーダーシップ・パイオニア賞を受賞。またAARP や動物愛護協会から賞を受けたこともある。先ごろ、2014年度ハワイ女性法律家功労賞を受賞し、議員として活躍するかたわら、ハワイの法律事務所(クローニン・フライド・セキヤ・ケキナ・フェアバンクス)にて弁護士活動に従事。


ラジ・ムケルジ氏
ニュージャージー州下院議員

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ラジ・ムケルジ州議会下院議員は、ジャージー市副市長および米海兵隊予備役3等軍曹を務めた経験を持つビジネスマン。州議会では、予算・通商・経済開発委員会および労働委員会の委員として活動している。24歳のときにジャージー市住宅局の長官に任命されて、監督能力とさまざまな改革について全国的に高い評価を受け、その後、同市の副市長に任命された。2013年には、6名が争った民主党の州議会予備選挙で勝利を収め、本選挙では20 ポイント差で当選を果たした。

両親はインドからの移民。ムケルジ議員は高校在学当時に、両親が経済的理由から出身地のインドに戻らざるをえなくなり、法的に独立した未成年者として自立した。亡くなる前の父親は、下垂体腫瘍と脳卒中を患った結果、働くことができなくなり、職を失ったことで健康保険に加入する余裕もなくなった。この経験を踏まえて、ムケルジ議員は医療政策に関心を寄せ、意見を持つようになった。

ムケルジ議員は中学生のときに、インターネット・コンサルティングとソフトウェア開発を手掛ける会社を設立した。その後この会社を規模の大きなテクノロジー企業に売却し、同時多発テロが起こった二週間後に、17歳で海兵隊に入隊した。海兵隊では、軍事情報部に籍を置いた。学歴としては、トーマスエジソン州立大学で学士号を、ペンシルベニア大学でリベラルアーツ修士号を(専門は国家安全保障)、シートンホール法科大学院で優秀な成績を収めて法学博士号を取得した。

ムケルジ議員は、ニュージャージー州史上二人目の南アジア系州議会議員。今のところ米国で唯一のベンガル系議員。


シャロン・トミコ・サントス氏
ワシントン州下院議員

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シャロン・トミコ・サントス下院議員は、35 年以上にわたりコミュニティー活動家として活動したのち、1998 年にワシントン州下院議員に選出された。下院教育委員会委員長を務め、ビジネス・金融サービス委員会、および地域開発・住宅・原住民問題委員会にも所属している。またワシントン州の教育機会格差監視・説明委員会の委員に任命されている。

サントス議員がまとめる法案には、すべての学生に質の高い公教育を提供し、よく訓練された教員を確保し、多様な学生グループ間の機会格差を解消しよう、という同議員の強い主張が反映されている。教育問題に加えて、市民権、女性の権利、経済・環境正義、手ごろな価格の住宅などの政策分野に関心が高い。すべての人々が学校、雇用、人生において成功を収められる基盤となる公平な競争条件の実現は可能だと確信している。

サントス議員は、全国州議会議員アジア太平洋系アメリカ人幹部会、全国アジア太平洋系アメリカ人女性幹部会、日系アメリカ人市民同盟シアトル支部など、多くの幹部会で委員を務めてきた。また、アジア太平洋諸島コミュニティー・リーダーシップ基金からキップ・トクダ・コミュニティー・リーダーシップ賞を、ジュニア・アチーブメント・オブ・ワシントンからリーダーシップ&ビジョン賞を受賞するなど、議員として、またコミュニティー活動家としての功績を認められ、数々の賞を受賞している。エバーグリーン州立カレッジおよびノースイースタン大学を卒業。金融機関で、州議会議員のスタッフとして、またNPOの上級管理職として働いた経験がある。


ヒュバート・ヴォー氏
テキサス州下院議員

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ヒュバート・ヴォー下院議員は2005 年より、南西部ハリス郡の下院第149選挙区からテキサス州下院議員に選出されている。現在は、下院経済・小企業開発委員会の副委員長を務め、また政府効率化・改革委員会、および下院運営委員会にも所属している。互選により下院民主党幹部会の会長代行に選ばれたこともある。議員としての活動のほかに、ヒューストン地域で事業家、不動産デベロッパー、起業家として活躍している。ヒューストン大学で学び、学生時代には夜間には工作機械オペレーターとして働いた。同大学で理学士号を取得(機械工学)。

ヴォー議員は、議員活動以外の活動として、教育、医療、治安、経済開発の課題に取り組んできた。英語に加えてスペイン語、ベトナム語、フランス語にも堪能で、第149選挙区の幅広い有権者と常にコミュニケーションをとることができる。

ヴォー議員は、すべてのテキサス州民の生活の質を向上させようと努めている。21世紀の経済に柔軟で信頼できる労働力を養成するには、教育と医療が極めて重要だと考えている。コミュニティー内でビジネスが果たす役割を固く信じ、また米国内に雇用を維持しつつ雇用をさらに創出・開発するという目標に向けて、協力することが必要だと考えている。党の垣根を超えて仕事を進めようと取り組み、選挙区の有権者と協力して、第149 選挙区が目標を達成し、その潜在力を最大化できるよう努めている。


ドナルド・ウォン氏
マサチューセッツ州下院議員

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ドナルド・ウォン下院議員は、第9 エセックス選挙区から選出されたマサチューセッツ州議会下院議員で、現在2 期目。家族が経営する国道1 号線沿いのカオルーン(レストラン)とチャイナタウンのナムパイアカデミーの共同所有者でもある。

祖父母が移民として米国にやってきたことを背景に、ウォン議員は、成功の基盤は家族とコミュニティーにあると考えている。「両親および祖父母から、公職に就くことと先行投資することが大事だと教え込まれた」と言う。この教訓を深く心に刻み、これまでのキャリア形成の中に生かしてきた。

ウォン下院議員は、さまざまな社会的取り組みを通してコミュニティーを支援しており、「近隣住民による防犯活動」や「ソーガス・スピークアウト」などの活動により、コミュニティーの安全向上に努めてきた。ビジネスセンスを生かし、学校、社会奉仕活動、コミュニティー向上活動を継続させ、資金を準備するための戦いに成功を収めている。現在は、ソーガス・ビジネス・パートナーシップの共同設立者兼理事、ソーガス・ビジネス教育コラボレイティブおよびワンYMCA の役員、ハンドレッドクラブのメンバー、メイソン/シュライナーのメンバーを務めている。かつて、アジア系アメリカ人委員会の役員を務めた経験があり、チャイナタウン地域委員会のメンバーを務めたこともある。マサチューセッツ州でコミュニティーの課題に取り組んだ経験もきっかけの一つとなって、政府内の多様性拡大を主張するようになった。「この国は、多様な人種や信条が混じり合って成り立っている。政府が国民の需要を理解するには、政府自身が多様性を具現していなければならない」と考えている。このような考えから、州議会の下院にアジア系幹部会を形成する取り組みを支持してきた。


外部リンク

(外務省)中山外務副大臣表敬:http://www.mofa.go.jp/mofaj/na/na1/us/page22_001677.html

(裏千家)裏千家今日庵訪問:http://www.urasenke.or.jp/textm/headq/soke/guest/guest102/guest102.html